生前整理の費用はいくらかかる?サービス内容別の目安
生前整理 2026/10/10 公開
この記事の結論
- 生前整理の費用は1つの金額ではなく、自分で進める分、業者に頼む分、書類を整える分の3つの組み合わせです。全部を頼む必要はありません。
- 業者に運び出しを頼む場合の金額は、物の量で決まります。提携業者の相場(2026年7月時点・大阪拠点)では、2LDKで少なめ12万円、普通21万円です。
- 遺言書を法務局に保管する手数料は1件3,900円です。公正証書遺言は財産の額で手数料が決まり、証人が2名必要です。
「生前整理には、いくらかかるのでしょうか」。親の家を少しずつ整えたい、あるいは自分の持ち物を元気なうちに減らしておきたいと考えたとき、最初に気になるのは費用だと思います。ところが、検索すると「数万円から数十万円」といった幅の広い説明が多く、何にいくらかかるのかが分かりにくいのが実情です。本記事では、生前整理にかかる費用を、自分で進める分、業者に頼む分、書類を整える分の3つに分けて、それぞれの目安と、費用をおさえる考え方をお伝えします。
親の生前整理を考えています。業者に頼むと、全部で何十万円もかかるのでしょうか。
頼む内容によって大きく変わります。生前整理の費用は、1つの金額ではなく、いくつかの費用の組み合わせです。まず、自分で進められる部分と、頼んだほうがよい部分を分けて考えましょう。

生前整理の費用は、頼む内容で3つに分かれる
「生前整理」という名前の定額料金はない
生前整理は、決まった作業の名前ではありません。物を減らす、書類をそろえる、財産を書き出す、家族に希望を伝える。こうした作業の総称です。そのため、「生前整理の費用はいくら」と1つの金額で言い切ることはできません。
なお、生前整理にかかる費用だけを対象にした全国的な統計は、本記事の作成時点で公的な資料を確認できませんでした。以下の金額は、公的機関が公表している手数料と、本サイトが提携する片付け業者から提供を受けた相場にもとづく目安です。個別の状況で上下するため、最終的には見積もりで確かめてください。
費用が発生する場面は3つある
費用が生じる場面は、大きく3つです。
- 自分や家族で進める場面。ごみ袋、自治体の粗大ごみの手数料、家電のリサイクル料金などがかかります
- 業者に運び出しと処分を頼む場面。金額は、物の量と家の条件で決まります
- 書類を整える場面。遺言書を残すなら、法務局や公証役場の手数料がかかります
3つすべてが必要とは限りません。物が少ない家なら自分で進めるだけで足りますし、物は少なくても書類の整理は必要、ということもあります。自分の場合はどこに当てはまるかを、先に見立てましょう。

先に決めておきたいのは、どこまで自分でやるか
費用を考える前に、決めておくことがあります。それは、どこまでを自分や家族で進めるかです。生前整理は、本人の物を本人が決める作業です。業者に頼むときも、何を残して何を手放すかは本人が決めます。
判断が難しい物は、無理に決めなくて構いません。迷う物は「保留の箱」に入れて先へ進めます。物の減らし方や順番は、生前整理は何から始める?で詳しく紹介しています。
自分で進める場合にかかる費用
ごみ袋と、自治体の粗大ごみの手数料
自分で進める場合の費用は、ごみ袋と、処分の手数料が中心です。家庭から出るごみは、自治体の収集に出すのが基本で、袋の種類や指定の有無は市区町村によって違います。
大きな家具は粗大ごみにあたります。手数料は、自治体ごとに品目別に決まっています。たとえば横浜市では、インターネット・チャット・LINE・電話で申し込む形になっており、品目ごとの手数料は市の一覧で確認できます。住んでいる市区町村の案内で、品目ごとの金額と申し込み方法を確かめましょう。

家電4品目は、リサイクル料金が別にかかる
エアコン・テレビ・冷蔵庫と冷凍庫・洗濯機と衣類乾燥機の4品目は、家電リサイクル法の対象で、普通のごみには出せません。小売業者に引き取りを依頼し、リサイクル料金と収集・運搬料金を支払います。
名古屋市の案内(2026年8月27日更新)には、主要メーカーが公表した料金の例として、次の金額が載っています。いずれも税込です。
同じ案内には、リサイクル料金はメーカーや大きさによって異なること、消費者が負担する費用はリサイクル料金と収集・運搬料金の合計であることが書かれています。収集・運搬料金は小売店によって異なり、自分で直接搬入する場合はかかりません。家電は、台数が多いほど、費用が積み上がります。古い冷蔵庫や洗濯機が何台も残っている家では、先に台数を数えておくと、おおよその費用が見えます。
家電4品目の扱いは、遺品整理でも生前整理でも同じです。費用の全体の考え方は、遺品整理の費用でも説明しています。
自分で進めるときの限界
自分で進める方法は、費用をおさえやすい一方で、体力と時間が必要です。重い家具を階段で運ぶ、大量の袋を何度も集積場へ出す、といった作業は、本人にも家族にも負担になります。
無理をして腰や膝を痛めてしまうと、かえって大きな損になります。重い物や大量の物は、運び出しだけを業者に頼む方法があります。次の章で、その場合の金額の考え方を見ていきます。
業者に運び出しと処分を頼む場合の費用
業者に頼むと、金額は何で決まりますか。
金額を決めるのは、間取りより物の量
業者に運び出しと処分を頼むときの金額は、部屋の広さと、運び出す物の量で決まります。本サイトが提携する片付け業者から提供を受けた相場(2026年7月時点・大阪拠点)で見ると、同じ2LDKでも、物が少なめなら12万円、満杯なら47万円と、およそ4倍の開きがあります。
ここで、ひとつ注意があります。この相場は、運び出しと処分にかかる費用を、間取りと物の量で示したものです。生前整理だけを対象にした相場表ではありません。生前整理でも、処分する物を業者が運び出す部分については、同じ考え方で金額が決まります。
間取り別・物の量別の目安
表のうち、生前整理で目安になりやすいのは「少なめ」から「多め」の列です。ふだん暮らしている家の中から、不要な物だけを手放す場合、足の踏み場がないほどの量になることは、多くありません。
たとえば、1R・1Kで少なめなら3万円、普通で5万5,000円です。2LDKでは、少なめが12万円、普通が21万円です。4LDKの一軒家では、少なめが22万円、普通が41万円になります。
物の量は、4段階で見立てます。細かく数える必要はなく、部屋の入口に立って、床がどのくらい見えているかで当たりを付けます。
| 物の量 | 部屋の見え方 |
|---|---|
| 少なめ | 大きな家具・家電が中心で、床が広く見えている |
| 普通 | 生活していたままの状態 |
| 多め | 収納に入りきらない物が床にも出ている |
| 満杯 | 足の踏み場がない |
金額の中身は、3つの足し算
本サイトが提携する業者に確認したところ、金額は3つの積み上げで決まっています。処分場に持ち込むためにかかる処分原価、家まで来て運ぶための収集運搬費、家の中から運び出す手間の搬出作業費です。
見積書に「作業一式」としか書かれていないと、3つがまとめられていて、どこが高いのか分かりません。内訳を出してもらうよう頼みましょう。内訳が出れば、他の業者の見積もりとも比べられます。
同じ物でも、置き場所で金額が変わる
同じタンス1本でも、1階の玄関先にあるのか、階段しかない2階の奥にあるのかで、搬出作業費は変わります。エレベーターのない集合住宅の上階や、家の前にトラックを停められない場合は、金額が加算されることがあります。
写真だけで金額を出す見積もりは、当日に「思ったより多い」と金額が動きやすくなります。現地を見てもらったうえで、金額を出してもらうほうが安心です。
生前整理に特有の、費用の考え方
生前整理では、物を手放す量が、あとで増えることもあります。最初は「この押し入れだけ」と考えていても、進めるうちに納戸や物置にも手を付けたくなることがあるためです。
最初の見積もりで範囲を決めすぎないほうが進めやすくなります。追加で頼むときの計算方法は、依頼する前に、書面で確かめておきます。そうしておくと、途中で範囲が変わっても慌てません。生前整理は、一度に終わらせなくてもよい作業です。区切りながら進めれば、1回ごとの費用も小さく収まります。
書類を整える場合にかかる費用
遺言書を残すときは、いくらかかりますか。
遺言書は、残す方法で費用が変わる
生前整理には、物を減らすだけでなく、書類を整える作業も含まれます。その中で、費用がはっきり決まっているのが、遺言書にかかる手数料です。
遺言書には、いくつかの方式があります。ここでは、費用の面から、法務局に預ける方法と、公証役場で作る方法を見ます。どちらを選ぶか、内容をどう書くかは、個別の事情で変わります。迷うときは、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家に相談してください。
法務局に預ける「自筆証書遺言書保管制度」
自分で書いた遺言書を、法務局に預ける制度があります。法務省の案内では、保管の申請の手数料は1件につき3,900円です。手数料は収入印紙で納めます。
この制度には、次の特徴があります。
- 相続が始まったあと、家庭裁判所での検認が不要になる
- 保管の申請のときに、民法の形式に合っているかについて、外形的なチェックを受けられる
- 保管された遺言書の有効性を保証するものではなく、遺言の内容の相談には応じていない
保管された遺言書を、あとから閲覧したり、証明書を取ったりするときにも手数料がかかります。たとえばモニターでの閲覧は1,400円、原本の閲覧は1,700円、遺言書情報証明書の交付は1通1,400円です。一方、保管の申請の撤回と、住所の変更の届出には、手数料はかかりません。
公証役場で作る「公正証書遺言」
公証人に作成してもらう遺言書です。日本公証人連合会の案内では、手数料は、遺言の目的となる財産の価額に応じて決まります。
| 目的の価額 | 手数料 |
|---|---|
| 50万円以下 | 3,000円 |
| 50万円超〜100万円以下 | 5,000円 |
| 100万円超〜200万円以下 | 7,000円 |
| 200万円超〜500万円以下 | 1万3,000円 |
| 500万円超〜1,000万円以下 | 2万円 |
| 1,000万円超〜3,000万円以下 | 2万6,000円 |
| 3,000万円超〜5,000万円以下 | 3万3,000円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 4万9,000円 |
遺言の目的となる財産の総額が1億円以下の場合は、上の手数料に1万3,000円が加算されます。また、証人が2名必要です。遺言者の側で手配しますが、適当な証人がいない場合は、公証役場で紹介してもらうこともできます。
財産を誰にどう分けるかによって、実際の手数料は変わります。具体的な金額は、作成を依頼する公証役場で確かめてください。

エンディングノートは、費用をかけずに始められる
遺言書とは別に、エンディングノートがあります。希望や連絡先、財産の一覧を書き残すもので、書き方は自由です。ノートを買う費用は別として、書くこと自体に手数料はかかりません。
ただし、エンディングノートには、遺言書のような法的な効力はありません。財産の分け方を確実に残したいときは、遺言書を検討します。まずはエンディングノートで、書類のありかと財産の一覧を整えるところから始めても構いません。
費用をおさえる方法
少しでも安く済ませるには、どうすればよいですか。
手放す物を、先に減らしておく
業者の金額は、運び出す物の量で決まります。先に自分で減らせる分を減らしておくと、そのぶん、金額は下がります。
服・食器・本など、こまごました物は、自治体のごみ収集に出すほうが安く済みます。粗大ごみも、自治体に申し込めば手数料だけで済みます。業者に運び出しから頼むと、量のわりに費用がかさむ部分です。
範囲を区切って頼む
頼むか、自分でやるかは、ゼロか百かではありません。運び出しだけを頼んで仕分けは自分でやる、粗大ごみと家電だけを頼んで袋物は自分で出す、といった分け方もできます。
見積もりのときに「この部分だけ頼めますか」と聞いてみましょう。範囲を区切ると、金額も下がります。生前整理は、本人のペースで進められるため、数回に分けて頼むという選び方もあります。
買い取れる物を分けておく
家具や家電、貴金属、骨董品、時計などは、状態によっては買い取りの対象になります。生前整理では、押し入れや納戸の奥から、価値のある物が出てくることもあります。

業者に頼む場合は、買い取りに対応しているかを、見積もりのときに聞いておきます。買い取りの金額は、片付け費用から差し引いてもらう形にできることがあります。ただし、買い取りの有無や金額は、業者や品物によって異なります。
見積もりの前に、整えておく
見積もりの前にやっておくと効くことがあります。トラックを停める場所を用意する、玄関に近い部屋へ物をまとめる、家電の台数を数えておく。この3つです。見積もりの前に条件を整えておくと、金額の見立てが正確になります。
安くおさえる方法のまとめ
ただし、安さだけを目標にすると、必要な作業まで削ってしまうことがあります。遠方に住んでいて通えない場合や、住み替えの日が決まっている場合は、まとめて頼む判断のほうが現実的です。時間と体力を、金額と並べて考えましょう。
見積もりで確かめること
広告の安さと、請求の金額
国民生活センターは2022年11月2日、不用品回収サービスのトラブルについて注意を呼びかけました。紹介された相談の一つは、軽トラックパック7,000円、2トントラックパック2万5,000円という広告を見て申し込んだ例です。当日は作業員3名が2トントラックで来て、作業後に料金は25万円だと言われました。
生前整理では、元気なうちに自分で依頼するため、急かされて決める場面は少ないはずです。時間があるぶん、複数の業者から見積もりを取って、落ち着いて比べられます。
見積もりを取るときの4つのチェック
国民生活センターは、見積もりを取るときのポイントとして、次の4点を挙げています。
- 市区町村のホームページなどから、一般廃棄物処理業の許可業者を探す
- 追加料金の有無を確認する
- 作業内容と料金を明確に出してもらう
- キャンセル料を確認する
同センターは、一般家庭から出る廃棄物の収集・運搬には、一般廃棄物処理業の許可、または市区町村からの委託が必要だと示しています。産業廃棄物処理業の許可だけでは、家庭の廃棄物を収集・運搬できません。また、複数社から見積もりを取り、追加料金がかからないことなどを確認してから依頼するよう勧めています。
見積書に書かれているべきこと
生前整理では、残す物と手放す物を、本人が分けてから運び出します。そのため、見積書には「何を運び出すか」を具体的に書いてもらいましょう。作業の範囲と、追加料金が発生する条件が書面にあれば、当日の食い違いを防げます。
見積もりの取り方や、複数の業者を比べる方法は、遺品整理業者の選び方にまとめています。3社に同じ条件で見積もりを頼み、金額が違った理由を聞くと、内訳の読み方が身に付きます。

立ち会いと、貴重品の確認
作業の前に、探したい物と、見つかったときの扱いを、業者に伝えておきます。生前整理では、残す物を本人が選んだうえで運び出すのが基本です。できれば当日は立ち会い、手放す物と残す物を、その場で確かめましょう。
立ち会いが難しい場合は、作業の前後を写真で残してもらうよう頼んでおくと安心です。
費用で迷ったときの考え方
先に聞いておきたい質問
生前整理は、どのタイミングで業者に頼むのがよいですか。
決まった時期はありません。ただし、重い家具や大量の物は、体力のあるうちに運び出すほうが安全です。書類と財産の一覧は、自分で進められる部分から始めましょう。
業者に頼んだあとで、「やっぱり残したい」と思った物が出たらどうなりますか。
見積もりの段階で、運び出す物を本人が選んで、残す物には印を付けておきます。作業の前に写真を撮り、手放す物の範囲を、見積書と照らして確認しておくと、取り違えを防げます。
生前整理の費用は、誰が負担するものですか。
決まった決まりはありません。本人が負担する場合も、家族が分担する場合もあります。あとで食い違いが起きないよう、誰がどの範囲を負担するかを、先に話し合って決めておきましょう。
金額だけで決めない
費用は大切な判断材料ですが、いちばん安い業者が最良とは限りません。許可の有無、内訳の書き方、追加料金の条件が書面で確かめられるか。この3つがそろっている業者の中から、金額で選ぶ順番が安心です。
生前整理は、これからの暮らしを整える作業です。費用の目安が分かれば、次に何をするかが決まります。まずは、自分で進められる部分と、頼みたい部分を分けるところから始めましょう。
見積もりを取って、金額を確かめる
生前整理の費用は、頼む内容と、物の量、家の条件で変わります。かたづけ比較では、片付けの見積もりを無料で比べられます。
この記事の出典
- 法務省「自筆証書遺言書保管制度 手数料」(法務省ウェブサイト・2026年10月10日確認)
- 法務省「自筆証書遺言書保管制度 遺言書保管制度とは?」(法務省ウェブサイト・2026年10月10日確認)
- 日本公証人連合会「公正証書遺言の作成手数料」(日本公証人連合会・2026年10月10日確認)
- 名古屋市「家電リサイクル法の対象品目」(名古屋市公式サイト・2026年8月27日更新・2026年10月10日確認)
- 横浜市「粗大ごみの出し方」(横浜市公式サイト・2026年10月2日更新・2026年10月10日確認)
- 国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」(国民生活センター・2022年11月2日公表・同年11月11日更新・2026年10月10日確認)
- 間取り別・物の量別の費用の目安、および金額の内訳:本サイトが提携する片付け業者から提供を受けた相場(2026年7月時点・大阪拠点)。本サイトの料金ページでも公開しています
費用は、物の量や建物の条件、依頼する範囲によって変わります。遺言書の方式や内容、税金、相続の判断が必要な場合は、弁護士・司法書士・税理士など、その分野の専門家にご相談ください。

